端株でのんびり投資日記

気の向くままに端株でのんびり投資した記録の数々です

Topixインデックス投信の代わりになりそうな優待株ファンドの検討をしてみました

検討の目的

国際分散投資日本株部分は通常Topixインデックス等の指数を用いたファンドが使用されますが、日本株であれば会社の概況も得やすいため個別株でポートフォリオを組んでも組成次第で同等のパフォーマンスが出せるのではないか考えられます。仮に同等であれば通常のリターンに加えて優待品が得られるため、結果として元ファンドよりもリターンを上回れる事ができ、全体のポートフォリオのパフォーマンスの向上につながります。一方で優待株を中心とした投資を行った場合、往々にして優待品に影響されて業種の偏りが発生し、Topixとの乖離によりリスク(ボラティリティ)が大きくなる可能性が考えられます。この場合プラスの場合もあれば、マイナスの場合もあるため一概に悪いとはいえませんが、特定業種に偏った場合に業種特有の社会的な問題に影響されて、大きなダメージを受ける可能性が否定できず、それを避けることが望ましいと思われます。そこで優待株を中心とした業種分散型のポートフォリオを組んでみて、Topixとの比較を行い、その実用性に関して検討するのが今回の目的です。

 

コンセプトモデルについて

優待株で業種分散したようなファンドは見つかっていませんが、以前からあるファンドでニッセイ日本勝ち組ファンドが考え方として利用できるのではないかと考えました。このファンドの概要は東証の企業をセクター分類し、各セクターの代表的な企業を30社選び、均等割合でポートフォリオを組み、Topixを上回る成果を狙うというものです。実際の成果は同等程度ですが、考え方をそのまま優待株に置き換えてセクター分類した各業界の代表的な優待企業30社に均等投資するポートフォリオとすれば、そのまま日本優待株ファンドにできるのではないかと思います。参考資料としてモデルファンドのページを下記にリンクしておきます。

www.nam.co.jp

 

優待株ファンドのポートフォリオの検討

目的がTopix代替であるため業種の分散性もTopixに近い事が望ましいです。そこで東証上場企業の業種分類の参考として業種別ETFを参考にしました。このETFはもともと東証の業種区分である33業種を比較的近い関係にあるものをまとめて17種に分けたETFで、その分類は下記図のようになっています。下記図のETFの17業種グループの代表企業がまず、ポートフォリオ候補として考えられます。

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続いて残り13社の選定については各ETFの組入銘柄数に着目しました。選定については下記図に示した通り、各業種グループの組入銘柄数を比例代表制などで使用されているドント方式を用いて、銘柄数を1、2、3の順で割っていき、上位13番目までを追加企業数としました。それらにより今回の優待株ファンドの各業種組入数が決定しました。

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Topix-17組み入れ銘柄数

各業種の組入銘柄数が決定したため、続いては具体的な銘柄の選定を行う事としました。検索方法には大和証券の優待株銘柄の検索サービスを利用しました。選定にあたっては以下の点に注意しました。

  • 株価の推移は事後であるため何となくわかっていても、なるべく考慮せずに優待株として代表的な銘柄を選ぶこと。
  • 株価的に20万円以内で購入できる銘柄を極力制定する。
  • 優待権利月、及び優待品はなるべく偏らないようにうすく意識して選定する。但しあまり意識して不自然にならない程度にする。
  • 優待の歴史が比較的長く、継続されている企業を選定する。
  • 優待内容を選定の最優先事項として考え、業績、財務は考慮しない。

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優待株ファンド銘柄一覧

銘柄選定は好みもあるため、誰もが納得という結果にならないと思いますが、概ね優待として有名な企業でまとまった形となっているのではないでしょうか。

 

優待株ファンドの運用シミュレーション

上記優待株ファンドを2015年7月~2019年6月まで端株も一部用いて運用するシミュレーションを組んでみました。説明は難しいので、まず最初の1年を下記に示しします。

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運用1年目

運用内容は初期予算300万円で、フルインベストメントで30社に対してそれぞれ10万円未満で購入できる株数を割り当てています。株価は月末の値を使用しました。その後ポートフォリオの観察をしていき、変化があった時にリバランスを行います。表の青字は株式の合計の平均値より25%上回って乖離した場合で、この時は平均値になるように売却し、株数は翌月より反映されています。また売却して得られたお金は翌月の現金に反映されています。また赤字は平均値を25%以上下回った場合で、この場合平均値になるように購入し、株式数、現金同様に翌月に反映しています。

今回は取引費用、及び年間の利益に対する税金は計算に入れていません。取引費用は無視できるレベルであることと、年間の利益に対する税金は控除内で収まる範囲であるてめ実質課税されないためとの判断からです。

なお6月末に株式総額に対して1.5%の配当収入があったものとして現金を増額しています。

現金比率は今回考慮せず、売却と購入を反映しただけとなっており、特にフルインベストメントになるようにはしていません。

 

運用結果

4年間運用した場合の結果を下記に示します。今回の場合Topixインデックスファンド、及びコンセプトモデルの日本勝ち組ファンドよりもパフォーマンスは上回った結果となっていました。ただこれは銘柄の選定により数%ずつ変わる可能性があるため一概に良い結果が期待できることを示しているわけではありません。また現金比率、及びリバランスを行う幅とタイミングにも左右されるため注意が必要だと感じました。ただファンドの動向は3つとも近似であるため業種分散の効果は得られているように思います。

結果としてこのようなファンドが実用化できるかというと判断がつきかねますが、とりあえず何らかの参考資料となれば良いのではないかと思います。

なおこれらの検討内容は情報提供して趣味の範囲で行ったものなのでデータの正確性等は必ずしも保証されるものではありません。また運用方法、結果に関しても保証の限りではありませんので、この内容に関する投資判断、及び損失が発生した場合は全て自己責任ももとでお願いいたします。

 

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運用結果比較グラフ

※参考のため2年目以降も貼っておきます。

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運用2年目

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運用3年目

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運用4年目(最終年)