新規投資銘柄を色々探している中で関心を持ったビジネスとしてホスピスがありましたので、その可能性について書いていきたいと思います。
ホスピスとして調べると、似た用語として緩和ケア、ターミナルケアといった言葉も出てくるのですが、私の理解としてはターミナルが総合的な意味で余生を過ごすための広義のもので、病気などで苦痛を和らげるケアが緩和ケア、さらに余命がわかった時に終末期まで過ごすためのケアがホスピスというものだと思っています。そう考えるとビジネス領域は少し異なり、従来の介護ビジネスは広義のターミナルケアとして自然死(老衰とか)を対象としている印象で、難病患者や癌末期患者は異なるようです。もし難病患者が希望すれば病院によっては緩和ケア病棟があるところもあるようなので、そのようなケアは受けれるようですが、そんなに数は多くなさそうです。なお海外では緩和ケアとホスピスは異なるようですが、国内ではどちらかと言えば同義語のように扱われているので、今回はそれに合わせていきたいと思います。
ホスピス・緩和ケアの現状
ホスピス・緩和ケアの人も含めて今後の死亡者数の増加していき、ピーク時の2039年には167万人が亡くなると予想されているようです。
また治療法の研究はされているとはいえ、年齢が上がるに従って癌の発症により亡くなる人も増加しているようです。現在だと全死亡者数の28%というデータなので、3~4人に1人となります。
一方で日本人の死生観も変化しており、従来は本人・家族の意向もあってなるべく長く生きたい、もしくは僅かでも可能性があれば賭けてみたいという考え方がありましたが、今は延命治療を受けずに穏やかに死にたいというふうに変わっているようです。
また終末期は自宅で迎えたいという希望が多いようですが、このデータは他に行き先が無いため、消去法としての選択にも見えます。理由として自宅療養を希望しながら、必要になれば病院、もしくは緩和ケア病棟に入院したいと希望されており、本来症状から見れば最初から緩和ケアの方が良いのではと思うのですが、費用と受け皿の問題でできないため、自宅としているのではないかと思います。
結局のところ、現在はポテンシャルマーケットは大きくなっているにも関わらず、そこを狙ったビジネスはあまり存在していないと思われます。対応可能とすれば緩和ケア病棟を付設する病院か、特養、介護付き老人ホームがぎりぎり該当するのかもしれませんが、不足していると思われます。以下の図でも病院は早期退院、自宅は家族の対応が難しく、介護施設もサ高住、住宅型老人ホームは認可が下りやすいため増えていますが、そこでの対応は難しそうです。
ホスピス・緩和ケアビジネスの可能性
ここまでの中で、ホスピス・緩和ケアビジネスは一般的な介護ビジネスとは必ずしも競合しなさそうな事がわかります。これは目的とする点がやや異なり、長生きするのではなく延命をあきらめ、患者の苦痛を緩和して、QOLの改善を図るという点です。そのため病院よりも自由度が高く、生活面でのケアも充実していることが望まれます。
ホスピス施設の人員はケアのため配置数が多くされているようです。
人員を含めてコストはかかりそうですが、介護ビジネスよりも患者さんあたりの売り上げが多いため収益は期待できそうです。
ホスピス・緩和ケアビジネスは従来の医療・介護の枠組みで不足していた部分を補う形として期待できるので、今後も病院、自宅、老人ホームなどで受け入れが難しくなった人の受け皿として伸びていく事が期待できます。
とりあえず今回はホスピスビジネスの可能性に関して概略でした。次は銘柄も調べていきたいと思います。