端株でのんびり投資日記

気の向くままに端株でのんびり投資した記録の数々です

成長株として保有しているキャンディルについて

現在成長株のカテゴリーで保有しているキャンディルについて書きたいと思います。

キャンディル

マザーズ 1446

事業内容

カテゴリーとしては建設業ですが、住宅も含めて建築にかかわるすべての工程、シーンで対応する建築サービス関連事業会社を標榜しており、構成事業分野は以下の4つに分かれています。

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リペアサービス事業

この会社の創業ビジネスで、今でも各事業への展開していくうえで中心となるものです。実際に住宅を新築した時など微妙に疵があったりしますし、引っ越しの時など養生していてもどこかしらぶつけて疵になる事もあります。当然生活していたら発生するので、そういう時に依頼して直してもらう事業です。

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住環境向け建築サービス

引き渡し後とか、大手住宅メーカーでは自社で行っていますが、通常のビルダーだと長期に点検やメンテナンスはできない場合があるようで、それらを契約して行うサービスです。こちらはリペアとは違ってストックビジネスなので契約が増えればそれだけ事業として安定しそうです。

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商環境向け建築サービス

一般住宅向けとは違ったノウハウが必要なようで、大手から委託を受けて展開しているようです。建築というよりサービス業の要素も強い感じでオフィス・ホテルの管理だったり、家具の組み立てサービス(イケア)も含まれているようです。

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商材販売

リペア用に開発したものをせっかくだから販売しているようですが、これであればメンテナンスの人が行かなくても住人がDIYでできそうで、小さな修繕ならお互いメリットがあるかもしれません。インテリア系は自社を通じて全て販売した方が利益につながるかもしれません。

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業績の推移

業績は順調に推移しており、今期も増収増益予定となっています。

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キャンディルがあげているストロングポイント

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こちらの会社が行っている住宅サービス事業で全国展開しているのは国内ではキャンディル1社だけです。そのため事業規模の大きい会社ほど委託先としてこちらを選択する可能性が高くなります。またリコールなどがあった場合は全国一斉に対応する必要があり、その点でも優位に立てそうです。

強み② 各分野での大手との住み分けと協業による顧客層の厚み

直近の取引先上位20社を見てみます。

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なかなかの大手との協業を図っているのがわかります。この仕組みをキャンディルではBtoBtoCと呼んでいますが、ようはユーザーが住宅会社に依頼すると住宅会社からキャンディルに連絡し、代わりにユーザー先でリペアやメンテサービスを行う仕組みです。住宅会社との住み分けをする区切りとして300万円以上の大規模リフォーム工事などは住宅会社、それ以下はキャンディルとすることで良好な関係を保っているようです。キャンディルとしては非効率な訪問営業をしなくても優良顧客基盤を積み上げる事が可能となります。

強み③ 質の高いサービス技術者

全国展開しているため沢山の技術者は抱えているようで、教育に力を入れて技術とマナーの向上を図っているということです。言ったもの勝ちの部分はありますが、大手メーカーの代わりに行くわけですから、それに見合う品質は保証する必要があり、そういう意味では期待できるかもしれません。

強み④ ストック型ビジネスモデル

上記のような強みを生かして優良顧客基盤を積み上げており、そこから長期メンテナンス契約を結んでいくことでストックビジネスにつないでいくことが可能だとしています。

私が感じるキャンディルのストロングポイント

上記と重複する部分もあると思いますが、思いつくままに列記していきます。

  • 全国展開しているため、国内で唯一対応できる会社として大手から全面委託を受けている。リコール対応など特にばらばらで頼むわけにはいかないため。
  • 規模の拡大で採用面、また各種コスト面でもスケールメリットが期待できる。
  • 大手から委託している事を前面に押し出し、成約率が上がりそう。例えば住宅の長期メンテナンス契約などでただ「キャンディル」と名乗るより、「旭化成から全国のヘーベルハウスのメンテナンスを全面委託されているキャンディル」と紹介した方が信用されやすそう。
  • 商業関係は乃村工藝社、家具組み立てはイケアの名前を出すことで営業活動は有利に働きそう。
  • 大手の代行として同等の品質を保証するためには、委託先の大手メーカーある程度のノウハウは教えてもらう必要があり、技術力の向上に期待できる。
  • 大手は細かい工事で人をかけたく無さそうで、それを代行することで良好な関係が築け、結果として工事の金額によりうまく共存している。
  • ビジネスモデルの強さとは逆に業務内容はフォーマット化、マニュアル化できそうなため、新入社員・中途社員とも早期に戦力化でき、陣容が整えやすく拡大成長が期待できる。
  • 一度体制を作ってしまうと、人員面などが特に競合が追い付くには大変そうで、当面国内1社独占も可能かも。
  • リペア事業で業界2位の会社を買収して競合を抑えたり、自社に足りない事業を買収するなどM&Aは友好的にうまく進めている。
  • リペアという比較的低単価の工事で顧客の懐に入った後、長期メンテナンス契約やその他インテリアなどつなげてストックビジネスに結び付けるのはうまい戦略だと思う。

懸念される部分と会社が行っている対策など

お金があまり無い

もともとリペア事業単独でしたがリーマンショック後にとても厳しかったようで、その対策として商業関連などの事業をM&Aで取り入れたたため、その費用がかかり、財務は少し弱い感じです。全国展開も早期に進めたためそちらも人員を含めてお金は必要だったようです。対策になるかどうかですが、1部昇格は公言しておりそれが実現すると借入条件も良くなる可能性もあります。8月に立会外分売で資金調達もしましたが、さらに公募増資を行うなど資金面で改善できるかもしれません。

離職率が高いかも

直近のデータでは技術者の離職率が19.7%と高いような気がしますが、業界平均がわからないのではっきりとはわかりません。前年同期は24.6%だったので4.9%改善できてはいるようなのですが、サービスの中心的存在なので減らした方がいいのではと思います。会社としてもこのデータは公表して問題と捉えているようで、対策も書かれていたので効果の程は別として改善は期待しています。今後1部昇格などすれば、さらに会社に規範は求められると思うので、なんとか良くなるといいです。

その他アピールポイント

女子プロゴルファーの渋野 日向子選手とスポンサー契約

社長の見る目はM&Aだけでなかったようで、今年の6月に渋野 日向子選手とスポンサー契約を結びました。その後8月に全英女子オープンで優勝されたことは記憶に新しい出来事です。タイミングからいけば、割と安く契約できたのではないかと思いますが、渋野選手のキャラクターと相まって宣伝効果はかなり期待できます。

優待を新設

昨年12月に優待新設を発表しました。先月が1度目の優待で200株以上2000株未満で3000円のクオカード、以下2000株~6000株未満で4000円、6000株以上で5000円となります。今の株価だと優待株としても利回りは良さそうです。

まとめ

会社の特徴など書き連ねていくと、言い方はとても悪いのですが、戦略としては「虎の威を借る狐」のように大手メーカーを利用した面白いビジネスモデルだと思います。もちろんそれを実現して陣容を整えるためには色々と大変だったのだろうと想像できますし、今後の期待も大きいです。事業環境としても今後家は長く住むようになれば修繕も必要となり対応できる会社も減っていることなどは追い風かなと思います。それとこちらはあんまり発生してほしい話ではないのですが、最近社会問題としてよく聞く住宅・アパートの施工不良問題で、ここ数年特に増えていた賃貸アパートや投資用マンションなどが、工期の短縮や、資材高騰・建設人員不足などから今後少なからず出てきそうです。そのような時に一括対応できる会社としてもキャンディルは候補となり得るため、良くは無いですが追い風です。以上の事からあまり人気の無いカテゴリーですが、成長性では期待の銘柄と考え今後も保有・買い増しをタイミングをみて進めたいと思います。

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なお当ブログは情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や投資対象、投資タイミングによる投資行動を勧誘するものではありません。くれぐれも投資は自己判断、自己責任でお願い致します。