端株でのんびり投資日記

気の向くままに端株でのんびり投資した記録の数々です

成長株として保有しているJES(ジャパンエレベーターサービス)について

現在成長株のカテゴリーで5社保有しているのですが、今回はその中の1つのJES(ジャパンエレベーターサービス)について書きたいと思います。

ジャパンエレベーターサービスホールディングス

東証1部 6544

事業内容

エレベーターのメンテナンス、リニューアル、その他オプションサービスの提供をしています。国内で稼働する約100万台のエレベーター・エスカレーターのうち、約80%はそれを設置したメーカー系の保守会社がメンテナンスを行っており、残り約20%を請け負っているのが、JESを含む「独立系」とよばれる保守専門会社です。将来的に日本でも30%まで拡大すると予想されており、今後、リニューアル事業をはじめ、事業の成長は期待されています。独立系の中でのシェアは約25%と大手と一角となっています。契約台数も順調に伸びています。

 

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業績の推移

契約台数の増加とともに業績は順調に伸びてきており、増収増益基調です。2017年に減益となっていますが、これは全国展開に向けてメンテナンス要員を大幅に増員したためなので特にマイナス要因とは思えません。

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各事業領域でのJESの強み

①メンテナンス事業

  • 独立系のため設備の販売コストの回収が必要なく、だいたい20~50%低価格で提示できるため、価格競争力が強い。
  • 低価格の理由としてメーカー間にありそうな不可侵協定のような事は関係ないため(想像です)。
  • 多メーカーに対応できるよう研修しており、同じビルにメーカーが混在していても対応可能。
  • 補修部品は安心感のあるメーカー純正品を使用することで、独立系に変更する場合の敷居を低くしている。
  • 一方で低価格を実現するために海外部品メーカーや国内有力メーカーと協力して低価格部品も検討している。こちらは利益率の向上にもつながる。
  • PRIMEと呼ばれる遠隔監視・点検システムを独立系の先駆けとして立ち上げており、メーカー系からの変更で躊躇する壁を無くしている。

②リニューアル事業

  • メンテナンスと同様にリニューアルも低価格で提示できる。
  • 通常の設備全交換のリニューアルとは別にクイックリニューアルを先駆けとして展開しており、対応機種はまだ僅かですが少しずつ増やしている。

クイックリニューアルについて

設置後20~25年のエレベーターは経年劣化による老朽化、「制御盤」や「巻上機」といった主要部品の供給停止により、リニューアル時期を迎えています。
エレベーターリニューアルで頭を悩ます「高額な工事費用」と「長期の停止期間」。その理由は、「制御盤」+「巻上機」+「その他(電送系統の付随物)」をすべて交換するためでした。この問題を解決するため、JESでは「制御盤」のみ交換する独自のリニューアルサービスであるQuick Renewalを考案。Quick Renewalは使えるものを残すから、廃棄物も最小限に抑え、環境にも優しいリニューアルを実現しています。

 

  • 設備としてのリニューアルコストを削減することで浮いたコストを意匠リニューアルの実施に使用できる。意匠リニューアルとは設備には関わらないエレベーター内の壁面、床面の内装工事のようなもので、これを実施することで新品のように生まれ変わるというものです。

③オプション事業

  • LED照明、監視カメラ等の設置も用意できる。
  • 監視カメラに関してLiftSPOTと呼んでいるデジタルサイネージ付きのサービスを実施している。

LiftSPOTについて

国内で稼働しているエレベーターは約100万台。
中でも共同住宅における防犯カメラの設置は半数以下に留まっています。
多くの人が利用するエレベーターにおいて、安全性の確保のために、防犯カメラの設置は必須です。防犯カメラが利用者に与える圧迫感をできるだけ避け、「設置が当たり前」という環境を実現するサービスが「LiftSPOT(リフトスポット)」です。防犯機能を強化し、デジタルサイネージを活用した動画広告や利用者に役立つ情報配信によって、エレベーター内を、より安全で快適な空間へと変えていくと説明されています。防犯機能として十分かという面はありますが、費用がかからないのは大きいです。

初期費用及び月額費用はかかりません

「LiftSPOT(リフトスポット)」は、初期費用及び月額費用は一切かかりません。
また、既存のエレベーター内に1時間程度の工事で設置が可能です。

機能について

防犯カメラ機能:ディスプレイの内蔵カメラが前面から姿を捉え、録画が可能

お知らせ機能:掲示板と併用でお知らせに設備点検日時や防災、管理情報など

コンテンツ掲載機能:日時や時間、気温や天気など、利用者に役立つ情報をお知らせ

動画広告配信機能:デジタルサイネージを活用し、音声付きの動画広告(ニュース、CM、エンタメ情報など)を配信。※音声の有無は設定によって変更可能

 

研究施設の保有

エレベーターのテストタワーを備えた最新研究開発施設

「JES Innovation Center (通称JIC)」を建設、拡張予定です。研究所を保有していると開発速度も一気に上がり、コスト削減の検討も進みます。そう考えると独立系としては優位に立つことができます。

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まとめ

まとめとして書く前に一言言わせて頂くと、まずエレベーターのメンテナンスの現在主流となっているメーカー系のサービスについてはどこもきちんと仕事をされていて高い品質だと思います。合わせて高機能のエレベーターを研究開発しているのも日本のメーカーとしてその技術力はすごいと感じます。ですからその点に関して不満等はありません。

そのうえで今回紹介したJES(ジャパンエレベーターサービス)を投資対象として検討して保有している点については住居用マンションの管理コストの見積もりの甘さにあります。私は今はマンションに住んでいないのでわからない点もありますが、よく話題になるのは管理費・修繕費が足りなくなって、建物の修繕や設備の補修を行おうとした場合に多額の一時金が必要になり、住人同士で揉めたというような事はよく聞きます。このへんは販売会社がマンション購入費を安く見せるためにする方法だと思いますが、そのコストに含まれるのがエレベーターメンテナンスです。どうしてもメーカー系だと品質も伴い高くなると思いますが、管理組合の理事に順番でなった時に検討しても、なかなか独立系に変更できないのが、補修部品や方法などの安心感だと思います。なにより住んでいる人への説明が大変そうなので、あきらめてしまうのではないかと思いますが、今回のJESについてはそれらの説明が可能で、メンテナンス会社の変更ができるのではないかと考えました。もちろん会社の資料を見ながらなので良い部分を強調されているでしょうが、それでも数字として上げてきているので全くうそではないでしょう。住居用マンションは多数あるので、それらを獲得していけば安定的なストック収入となるため収益も伸び、加えて全国に拠点を設けている最中ですが、そこからドミナント的に広げていけば、同業他社が追い付くのは難しいように思います。どうしても後追いだと人員が不足しがちなのも追いつきにくい理由になりそうです。それ以外にも遠隔監視システムの開発、クイックリューアル技術の開発のように大きな収益にはならなくても投資が必要な所にお金をかけていたり、無償提供のデジタルサイネージ付き監視カメラのような独立系ならではのアイデアは面白いと思います。それらも含めて現時点の株価は割高と判断していますが、今後の成長性に期待して保有+追加投資を行っていきたいと思います。